
もつ鍋といえば、たっぷりのスープで具材を煮込むイメージがありますよね。ところが最近は、水を加えずに作る「無水もつ鍋」も人気なんです。
キャベツやもやしから出る水分に、もつの脂と調味料が重なって、味わいは濃厚。鍋ひとつで作れるので、忙しい日の夕食にもぴったりですよ。今回は、無水でも焦がさず、旨みたっぷりに仕上げる方法を紹介します。
無水もつ鍋とは?普通のもつ鍋との違いを知ろう
水を加えなくても鍋が作れる理由
無水もつ鍋は、その名の通り、基本的に水やだし汁を加えずに作る鍋料理です。ただし、完全に水分がないわけではありません。キャベツ、もやし、きのこなどの野菜から出る水分を利用して、具材を蒸し煮にします。
加熱すると野菜から水分が出て、鍋の底に少しずつスープが生まれます。そこへ、もつの脂やにんにく、しょうゆなどの調味料が溶け込むため、薄めていない濃い味わいになるんです。
味が濃くなりやすいのが魅力
一般的なもつ鍋は、スープの量が多く、具材をたっぷり煮込めるのが特徴です。一方、無水もつ鍋は具材の水分が味のベースになるため、野菜の甘みやもつの旨みを感じやすい仕上がりになります。
特に、脂のある牛もつを使うと、鍋全体にコクが広がります。キャベツの甘さ、もやしの軽い食感、にんにくの香りが合わさって、シンプルなのに満足感のある一品に。
無水ならではの注意点
水を入れないぶん、最初から鍋いっぱいの汁があるわけではありません。そのため、火加減が強すぎたり、野菜の水分が少なかったりすると、底が焦げることがあります。
ポイントは、厚手の鍋を使い、弱めの中火から始めること。ふたをして蒸気を逃がさないようにすれば、野菜がしんなりし、自然にスープが増えていきます。心配な場合は、途中で少量の酒やだしを加えても大丈夫ですよ。
材料と下ごしらえが味を左右する
基本の材料と分量の目安
2〜3人分なら、牛もつ300g、キャベツ1/2玉、もやし1袋、ニラ1束を用意します。ほかに、にんにく1〜2片、赤唐辛子少々、ごま油大さじ1、しょうゆ大さじ2、みりん大さじ1、酒大さじ2、鶏ガラスープの素小さじ1程度が目安です。
味噌味にしたい場合は、しょうゆを少し減らして味噌大さじ1〜2を加えます。ごぼう、豆腐、えのきなどを足すのもおすすめですが、具材を入れすぎると火が通りにくくなるので、鍋の七分目ほどに収めると安心です。
野菜は水分を残しすぎない
キャベツは食べやすい大きさに、ニラは3cmほどに切ります。もやしは軽く洗ったあと、ざるでしっかり水気を切っておきましょう。
「無水なのに水気を切るの?」と思うかもしれません。洗った水が多く残っていると、味がぼやけたり、加熱時に一気に水分が出たりするためです。自然に含まれる野菜の水分を使うのが、無水もつ鍋のコツなんです。
もつの下処理は丁寧に
牛もつは、まず表面の余分な脂や汚れを確認します。生もつの場合は、熱湯でさっと下ゆでして、ざるに上げて水気を拭き取ると、臭みや余分な脂を抑えられます。
下ゆでしすぎると、もつの旨みまで抜けてしまうことがあります。短時間で済ませ、キッチンペーパーで水分を取るのがポイントです。すでに下処理済みのもつなら、商品の表示に従って使えば問題ありません。
無水もつ鍋の簡単な作り方を順番に紹介
最初に香味油を作る
鍋にごま油と薄切り、またはみじん切りにしたにんにくを入れ、弱火にかけます。にんにくがきつね色に近づき、香りが立ってきたら、焦げる前に次の工程へ進みましょう。
ここで赤唐辛子を加えると、ピリッとした辛さが出ます。辛いものが苦手なら、輪切りを少量にするか、後から取り皿で調整してください。香味油を丁寧に作るだけで、仕上がりの印象がかなり変わります。
もつと水分の多い野菜を重ねる
香味油の上に牛もつを並べ、その上からキャベツ、もやしの順に重ねます。酒、しょうゆ、みりん、鶏ガラスープの素を全体に回しかけ、ふたをしてください。
もつを下に置くことで、脂と旨みが鍋底から広がります。野菜を上に重ねると、蒸気が回りやすくなり、焦げつきも防ぎやすくなります。最初から混ぜるより、層を作るイメージで重ねるのがコツですよ。
弱めの火で蒸し煮にする
はじめは弱めの中火で加熱し、鍋の中が温まってきたら弱火にします。10〜15分ほどを目安に、キャベツがしんなりし、もつに火が通るまで加熱しましょう。
途中で一度、底から大きく混ぜます。水分が少なく、鍋底が乾いているようなら、酒またはだしを大さじ1〜2だけ足してください。最後にニラを加えて1〜2分温め、味を見てしょうゆや塩で整えれば完成です。
失敗しないために押さえたいコツ
焦げつきを防ぐ火加減
無水もつ鍋で最も多い失敗は、野菜から水分が出る前に鍋底を焦がしてしまうことです。強火で一気に加熱すると、もつの脂だけが先に熱くなり、調味料も焦げやすくなります。
鍋を火にかけたら、ふたをして弱めの中火。蒸気が出てきたら弱火に落とします。鍋底からパチパチ音がする場合は、火を弱めて全体を混ぜ、必要なら少量の酒を加えてください。
味が濃いときと薄いときの調整
野菜の量や水分によって、完成時の味は少し変わります。濃くなりすぎたときは、お湯やだしを少しずつ加えて伸ばせば大丈夫です。いきなり多く入れず、大さじ1ずつ様子を見ましょう。
反対に薄いと感じたら、しょうゆ、味噌、塩のいずれかを少量追加します。もつの脂が多い場合は、ぽん酢や柚子こしょうを添えると、後味がさっぱりします。最初から濃くしすぎず、最後に整えるのがおすすめです。
もつの加熱状態を確認する
もつは種類や大きさによって、火の通り方が違います。中心まで十分に加熱されていることを確認し、赤みが残っている場合は、ふたをして追加で加熱してください。
野菜がしんなりしていても、もつの状態を確認することが大切です。生のもつを使う場合は、購入時の表示や保存方法にも注意しましょう。食べる直前までしっかり加熱する、と覚えておくと安心ですよ。
無水もつ鍋のよくある質問
Q1. 水を入れないと鍋が焦げませんか?
野菜の量が少ない場合や、火が強い場合は焦げることがあります。キャベツやもやしを十分に入れ、ふたをして弱めの火で加熱するのが基本です。
それでも水分が出にくいときは、酒やだしを大さじ1〜2加えて調整してください。少量なら、無水ならではの濃厚さを大きく損ないません。
Q2. 豚もつや鶏もつでも作れますか?
作れます。ただし、もつの種類によって脂の量や下処理の方法が異なります。豚もつは臭みが出やすいことがあるため、表示に合わせて下ゆでしてから使うと食べやすくなります。
脂が少ないもつを使う場合は、ごま油を少し増やすとコクを補えます。加熱時間は具材の大きさを見ながら調整してください。
Q3. 締めには何を入れるのがおすすめですか?
鍋の残りに水やだしを足して、ちゃんぽん麺を入れると定番の締めになります。濃い味のスープには、うどんやご飯もよく合います。
ご飯を入れて卵でとじれば、もつの脂と野菜の旨みを最後まで楽しめる雑炊に。味が濃い場合は、先に少し薄めてから麺やご飯を加えると、食べやすく仕上がります。
無水もつ鍋は、野菜から出る水分と、もつの旨みを活かして作る料理です。材料を重ねてふたをし、弱めの火でじっくり蒸し煮にすれば、特別なスープがなくても濃厚な味に仕上がります。
焦げつきそうなときは、酒やだしを少量加えて調整すれば大丈夫。まずはキャベツ、もやし、牛もつのシンプルな組み合わせから、気軽に試してみてくださいね。

